筆者はプロテスタントのキリスト教徒であり、欠かさず聖書を持ち歩き、事あるごとに参照しているという。大学と大学院で神学を学び、これまでに「4万冊近くの本に目を通し、思考を続け、行動につなげてきた」と述べる。そうした個人的背景と経験から、現代社会を生き抜くためには「悪」や「悪魔」の存在に敏感にならなければならないと考えている。 「悪には、『アダムとエバ』の物語から、現代の私たちの生活に根差す個人的なものや、テロ・国際紛争など世界情勢をめぐる国家レベルのものまで時間軸と空間軸を超えて見出すことができます。すなわち人間の持つ『負の側面』全般にわたり根源をなすのが『悪』の概念です」としたうえ、悪に鈍感であってはならない、悪の正体を見極めろ、少しでも悪なるものを遠ざけろ、危ない場所には絶対に近寄るな――と説く。 「一方、状況によっては悪と正面から対峙することも大切です」とも。 それでは、周囲からしばし