【ワシントン=三井誠】米スペースシャトル「チャレンジャー」の1986年1月の爆発事故で、事前に異常を警告していた元技術者ボブ・エベリング氏が21日、米ユタ州で死去したと、米公共ラジオ(NPR)などが報じた。 89歳だった。 報道によると、米航空宇宙局(NASA)の契約企業の技術者だったエベリング氏は打ち上げ前夜、事故原因になったゴム製部品の破損の可能性を指摘し、飛行延期を求めたが、却下されたという。 「もっと強く主張すべきだった」と悔い、事故から30年たった今年1月には、NPRの番組で「私は敗者だ」などと告白したが、「敗者ではない」などと多数の励ましが届き、エベリング氏は「悩みが和らいだ」と話していたという。娘のレスリーさんは「(死を前にして)父が世界から許されたかのようだった」とコメントしている。