8月15日、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが、アフガニスタンの全土が「支配下に入った」と声明を発表した。そしてタリバンの共同創設者のアブドゥル・ガニ・バラダル師が大統領宮殿に入ったと報じられ、タリバン側によれば、数日以内にアシュラフ・ガニ大統領を辞任させた上で政権移行が行われるという。 これまでタリバンは、カタールの首都ドーハでアフガン政府と交渉を続けていた。タリバン上層部は、アフガニスタンの政権のことを「カブール政権」と呼んでいる。 今年、アフガニスタンの情勢が大きく動いたのは、アメリカのジョー・バイデン大統領が、アフガニスタンから米軍とNATO部隊の完全撤退を発表した4月。以降、タリバンが攻勢を始め、瞬く間に、ほぼ全土を手中に収めた。 そして先日から、米政府はカブールの米大使館から米国人の国外退避を始めた。大使館が支配されることを恐れ、内部にある機密情報もすべて廃棄する指示を出