2008年10月11日のブックマーク (1件)

  • 今週の本棚:渡辺保・評 『ラシーヌ論』=ロラン・バルト著 - 毎日jp(毎日新聞)

    (みすず書房・5670円) ◇明快な構造分析、あざやかな劇評 かつての芝居好きならだれでも一度はラシーヌにはまった(むろん今日の芝居好きはそうではないかもしれない)。ラシーヌが芝居の魅力の核心をもっているから。ラシーヌを読み、あるいは見た人間は直感的にそれを感じる。感じるけれどもその正体はわからない。 その正体をロラン・バルトが実に明快に分析している。 彼によればラシーヌ悲劇には三つの空間がある。一つは舞台の背後の「奥の間」。もう一つは、「控えの間」すなわち私たち観客がいま目にしている舞台。そして最後の一つは「外界」である。 奥の間には権力者がいて、登場人物の全ての運命をその手に握っている。そこには神が、王が、父がいる。控えの間にはその権力に操られる人間たち。そして外界には死、事件、逃走が待っている。三つの空間は壁一重である。 控えの間は密室であり、登場人物たちはこの密室に幽閉される。 な

    hana53
    hana53 2008/10/11
    "権力との関係から生まれるエロス"、"人間の心理や性格や個性といったものではなく、一つの磁場で権力との関係によっておこる言葉と身体の関係。この構造こそラシーヌの、芝居の持つエロスの正体"。うむ。