あれは6年生の時だった。 同じクラスにいたトモくんと体育委員が一緒だったこともあってとても仲が良かった。 トモくんは容姿は普通だったけど面白い人だったのでクラスの人気者だった。 私が操り人形みたいな真似事をすると人形になって変な動きをしてくれたりした。 でも私以外の人がすると「やだよ」と言ってやってくれなかった。 トモくんの変な動きが見たい他の女の子は私に「やってよ」と頼んできたので、トモくんの様子を伺いながら皆の前で操り人形をやってあげた。 私がするとトモくんは動く。カクカクと手足を動かし、フニャフニャとしゃがむ。 皆はゲラゲラ笑い、それを見て私とトモくんはフフッと笑う。 そんな毎日は楽しかった。 ある日、シュウくんと言う男の子が転校してきた。 シュウくんは私の隣の席になった。 シュウくんは私が住んでいる町より都会から引っ越して来た子で、話をしてみると今まで知らなかった世界が見えた気がし