FIFA(国際サッカー連盟)総会で5選されたばかりのゼップ・ブラッター会長が、2日、緊急記者会見を開いて辞意を表明した。 「私にはFIFAをあるべき姿に戻す義務がある!」と、強気の姿勢を崩さなかったブラッター氏が豹変した背景には、米司法当局の捜査に各国捜査機関が連動、足元が揺さぶられているブラッター氏の“怯え”がある。 1日には、2010年南アフリカワールド杯の開催地をめぐる投票の際、南ア政府から賄賂を受け取り起訴されたジャック・ワーナー元会長に送金手続きを行ったのが、ブラッター氏の側近のジェローム・バルク事務局長であることが判明した。 185億円は氷山の一角 捜査を指揮するロレッタ・リンチ米司法長官は、今年4月の就任までニューヨーク連邦地検検事を務め、その間、FIFA汚職事件の内偵捜査にも関わった。5月27日、185億円の汚職容疑で14人を起訴した後の記者会見では、「汚職は必ず一掃する。