7月の参院選の前哨戦と位置づけられた東京都議会選挙では、自民党が59人の候補全員を当選させて第一党の座を民主党から奪還した。この勢いは参院選まで続くとみられる。さんざん民主党に振り回されてきただけに、財界は自民党の党勢回復を手放しで喜んでいるかと思えば、どうもそう簡単ではない。 安倍政権からは、これまでも看板政策の実現に向け、経団連などの経済団体に何度か協力要請がなされている。今年2月には、デフレ脱却に向けて賃上げが求められた。4月には、大学生の就職活動時期の後ろ倒し、また社員が育児休暇を3年とれるようにするための環境整備、女性役員を少なくとも1人登用することなどが要請された。いずれも企業としては安請け合いもできないテーマばかり。経済団体側は「総論賛成、各論反対」式の歯切れの悪い対応をせざるをえず、どことなく経営者が「抵抗勢力」であるかのような雰囲気になってしまっている。「自民党が参院選