気骨の名画座終幕 18年個人経営の札幌「蠍座」 若者客減り決断 (12/31 14:05) 上映最終日を迎えた蠍座の受け付けで閉館を惜しむ映画ファンと言葉を交わす田中次郎さん=30日 道内で唯一の名画座だった札幌の「蠍座(さそりざ)」(北区北9西3)が30日で閉館した。館主の田中次郎さん(61)が個人で経営。独自の美学を貫いた55席の小さな映画館は中高年のファンに愛されたが、若者の客足が遠のき、惜しまれながら18年の上映を終えた。 こだわりを持った映画館だった。蠍座は興行会社を脱サラした田中さんが1996年に札幌駅北口近くに開館。ヒット作よりも「見せる価値のある映画」を選び、週替わりの3本立てを安い料金で上映した。 気持ちよく映画を見てもらうためにCMや場内放送は流さず、途中入場もお断り。座席はゆったり座れる大型のいすを特注でフランスから取り寄せた。上映作品は古い日本映画の名作から海外の秀