“大人の発達障害”として「自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群」(ASD)や「注意欠陥多動性障害」(ADHD)などが近年、話題にのぼるようになった。「あいさつができない」「コピーが取れない」「何度注意しても単純なミスを繰り返してしまう」―。これらの人たちは普通の人が簡単、当たり前にできることができない。だが、能力のバランスがいびつなだけで、適性のある仕事では高い力を発揮する。コミュニケーション能力や協調性にたけたジェネラリストを高く評価する日本の職場で、どうすればこうした能力を生かせるのか。 異なる「得意技」、生産性につなげる 昭和大学発達障害医療研究所の加藤進昌所長は「ASDとは、“心の目”が見えない病気だ」と表現する。相手の表情や口調、言葉のニュアンスから真意を読み取る能力が低いが、数字などに強いこだわりを示し、知的障害を伴わないアスペルガー症候群は学力は平均以上という特徴もある。社