不祥事が後を絶たない精神医療で、国民の信頼を根底から揺るがす事態が発生した。精神保健指定医の資格を不正に取得したとして、医師89人の資格取り消しが決まったことだ。患者を最優先に考えなければならない医師のモラル欠如には呆(あき)れるばかりだ。 指定医資格を不正取得 今回の事態は、腐敗の根が精神医療の世界全体に広がっていることを浮き彫りにするものである。不正をチェックできなかった厚生労働省の責任も重い。資格取得審査を厳格化するのはもちろん、医師教育の見直しも含め、関係機関は再発防止と信頼回復を急ぐべきである。 今回問題となった精神保健指定医の権限は絶大である。全国に約1万5000人いるが、その判断によって、精神障害者を強制的に入院させる措置入院などの身体拘束、つまり患者の人権を制限することもあるのだから、この資格を得た医師にはより高い倫理観が求められる。 その一方で、指定医の資格があると、診療
![精神科医大量処分、国民の信頼回復容易でない | 世界日報](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4e5d1d8c34af6b10ea6174a2cfce5f681a7fb9e4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsub.worldtimes.co.jp%2Fwp-content%2Fthemes%2Fview%2Fimages%2Fsekai-default.png)