「2021年に2004年のデジタルビデオカメラで友人を撮影したら『存在しないはずのあの頃の思い出』が生成されていった」というTogetterのまとめが話題になっていた。 https://togetter.com/li/1673333 いまから17年前のSD画質のビデオカメラで現在を撮影してみたら、懐かしい感じがしたという話である。粗い映像、画面の右下にカクカクしたフォントで表示される日付など、たしかにとても懐かしい。振り返れば2000年前後のあのころ、古い8ミリフィルムの映像を見たりすると同じような“懐かしい感じ”があった。その時代のテクノロジーで記録されたものはやがて古くなり、過去へと置き去りにされていき、懐かしくなってノスタルジーの対象になっていく。 この感覚は今後も続いていくのだろうか? アナログな記録が中心だった時代には、記録はつねに時間経過とともに古びた。レコード盤は溝がけずれ、