透析拒否の“男の決断”を明かす作家、団鬼六氏。2年前、映画化された代表作「花と蛇」の主演女優、杉本彩さんとのツーショット時(左)と比べても変わらぬ生気を感じさせる 慢性腎不全を患うSM文学の第一人者、団鬼六氏(75)が、主治医の「死にたくなければ人工透析が必要だ」との勧めを断固拒否している。延命はあさましいとする鬼六氏。傍らで何とか“延命”を図ろうとする夫人。男の美学と家人の想いは、どんなシナリオを描いていくのか。 鬼六氏と言えば、杉本彩主演の映画『花と蛇』の原作者で、昭和40年代には「日活」で谷ナオミ主演の緊縛シリーズなどで一世を風靡した。70歳を超えてから20代前半の愛人と契約し、しかも愛人がなぞの自殺を遂げた騒動も記憶に新しい。その顛末を小説化するなど、官能小説にとどまらないマルチな文学性で活躍してきた。 腎不全の兆候が表れたのは2年ほど前。腎機能の指数であるクレアチニン値(1.0程