今回も『地中海』に関する話題には至らず。せっかく読んだ内容を忘れてしまいそうだ…… お話は「世界の絶対的怪異性」について。我々が慣れ親しんでいる世界は、我々と関連を持っている世界である。つまりなんらかの法則にしたがって運行し、その規則を守っていれば幸せになれるし、規則を破れば不幸になる、といった因果応報の原理が働いている世界だ。 しかしそうした自分と世界との因果関係など実は存在しないことが、明らかになる瞬間がある。世界と我々の間の「絶縁状態」が明らかになる。その時垣間見える「我々にとって他者である世界」が、「世界の絶対的怪異性」である。「カフカ的」とも言える。 稀に、多くの人間が同時にそれを体験することがある。9.11は、その一例である。あれは、あまりにも馬鹿馬鹿しくて笑える光景。「笑える」ということが認められない人たちは、「非現実的」という表現を使う。 「ハリウッド的」という表現もあった