地球が過去100万年ほどの間に、寒い「氷期」と暖かい「間氷期」を繰り返し経験したことをご存知の方は多いだろう(よく「氷河期」というが、地球の一部に氷河がある「氷河時代」の意味との混同を避けるため、ここでは「氷期」という。氷河時代は氷期と間氷期を含む)。 氷期は原始人がマンモスを狩っていたイメージだろうか。そして間氷期が来て農耕が始まり、現在に至る。しかし、いつか次の氷期が訪れるはずである。 一般の方と地球温暖化の話をしていると、「次の氷期が来れば温暖化でなく寒冷化するのではないですか」「氷期が来ると困るので温暖化させたほうがよいのではないですか」という声を聞くことがある。 先日、講演でこの点を含めて解説した内容を弊研究所のニュースレターに採録し、SNSで発信したところ、予想以上に反応があった。これをきっかけに、気になっていた論文を読んで理解を深めたので、改めて解説を試みたい。 現在、氷期が