音楽教室からの徴収方針や外国映画音楽の上映権使用料の値上げなど、日本音楽著作権協会(JASRAC)の姿勢には批判が少なくない。 JASRAC理事長の浅石道夫氏は2018年1月31日、同協会主催のシンポジウムで講演した。今後の方針を示すなかで、「最後はJASRACが(音楽)出版の管理を辞める」との驚きの発言が飛び出した。 日本には引用判断の判断基準がない 2017年に大きな注目を集めた「京大式辞事件」。米歌手ボブ・ディランさんの歌詞の一節を引いた式辞を、京都大学がウェブサイトに掲載したところ、これは引用に当たるのか、それとも著作権料が発生するかをめぐり議論となった。 第一報を伝えた京都新聞は「JASRACが使用料を請求した」と伝えていたが、JASRACによると京大に問い合わせただけで、最終的に「引用の範囲」と判断していた。 引用には、どんな判断基準があるのか。浅石氏は、出所の明示や改変の禁止