エンターテイメントの法務 エンターテイメント業界は、華やかで憧れの世界です。テレビや映画を見たり、音楽を聴いたり、舞台やコンサートに行くことは、多くの人々の楽しみです。ときには、勇気づけられ、人生の転機となることもあります。このように広く一般に周知され、グローバルな業界でありながら、かつて裁判官から、「この業界に契約書なんてあるの?」と聞かれたこともあったくらい、法の支配の緩やかな世界と思われていました。実際には、一部の例外を除き、多くの契約書の取り交わしが進んできており、そこには、たくさんの弁護士が関与しています。エンターテイメント法務のジャンルは多岐にわたりますので、今回は、専属契約と出演契約について弁護士が検討すべき基本的なポイントの考察をしたいと思います。 エンターテイメント法務の基礎知識~専属契約と出演契約~ 1 専属契約 1 専属契約の当事者 専属契約は、タレントやアーティスト