猛暑日が減っても蒸し暑さは続き、熱中症の危険性はまだまだ高いままになっています。熱中症を引き起こす大きな要因のひとつが「脱水症」ですが、高齢者に限らずその症状は意外と自覚しにくいため、注意が必要です。 脱水症が生じた際には体調不良のほか、爪や尿の色などに比較的分かりやすいいくつかの「サイン」が見られるそうです。脱水症を見逃さないためのポイントについて、日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター科長の山口順子先生に伺いました。 まず、脱水症とはどのようなものなのでしょうか。 「脱水症とは、体内から水分だけでなく塩分などの電解質が同時に失われることによって体液が減少し、脳や消化器、筋肉などに生じる異変をいいます。 体液はおもに水と塩分で構成されていて、体温調節や栄養素・酸素の運び込み、不要な老廃物を運び出す役割をもっています。そのため、体内から体液が減少すると、脳ではめまいや立ちくらみに頭痛、