厚生労働省は20日、高収入の専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」について、適用を受けた労働者が制度開始後1カ月となる4月末時点で、全国で1人だったと発表した。昨年の通常国会では働き方改革関連法の焦点となったが、導入は進んでいない。 高プロの適用を受けたのは、新たな技術や商品などの研究開発を行う労働者1人。厚労省は「まだ1カ月なので、現時点で評価はできない」(幹部)と指摘している。
厚生労働省は20日、高収入の専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」について、適用を受けた労働者が制度開始後1カ月となる4月末時点で、全国で1人だったと発表した。昨年の通常国会では働き方改革関連法の焦点となったが、導入は進んでいない。 高プロの適用を受けたのは、新たな技術や商品などの研究開発を行う労働者1人。厚労省は「まだ1カ月なので、現時点で評価はできない」(幹部)と指摘している。
2回にわたり、厚生労働省のリーフレット「働き方改革~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~」(参照:厚労省)における高度プロフェッショナル制度の紹介内容を、批判的に検討してきた(参照:「厚労省の高プロ制紹介に見る欺瞞。政府は、野党の次は国民を騙しにきた」、「悪徳商法のような高プロ制紹介。厚労省が駆使した『ご飯論法』の悪質さ」)。 今回は、このリーフレットにある「自由な働き方の選択肢」というときの「自由」とは何を指すのかを考えていきたい。 まずリーフレットの文面を検討しよう。 冒頭に制度の目的として、 「自律的で創造的な働き方を希望する方々が、高い収入を確保しながら、メリハリのある働き方をできるよう、本人の希望に応じた自由な働き方の選択肢を用意します。」 とある。なかなか魅力的な制度のように見える。 しかしそのあとの解説を読んでも、どこにも「自律的で創造的な働き方」「メリハリのある働き方」「本人
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は27日の記者会見で、三菱電機で裁量労働制を適用されていた複数の男性社員が長時間労働による精神障害や脳疾患を発症し、労働基準監督署に労災認定されていた問題について「個別事案については、個人情報保護の観点からコメントは控えたい」と述べた。 裁量労働制をめぐっては、厚生労働省の調査で不適切なデータが多数見つかった問題を受け、同省の検討会が今月から新たな調査方法を議論している。菅氏は検討会を念頭に「今後の制度改革はその結果を踏まえて検討する」と話した。「長時間労働削減や過重労働による健康障害の防止に向け、取り組みを進めていきたい」とも述べ、政府として働き方改革を推進する姿勢を強調した。 政府は当初、先の通常国会で成立した働き方改革関連法に裁量制の拡大を盛り込む方針だったが、データ問題を受け拡大部分を削除して法案を提出。調査方法を見直すとしていた。
三菱電機の男性社員5人が2014~17年、長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症したとして労災認定され、うち2人が過労自殺していたことがわかった。5人はシステムエンジニアか研究職で、このうち3人に裁量労働制が適用されていた。同社は3月、社員約1万人に適用していた裁量労働制を廃止した。 同社によると、コミュニケーション・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎市)に勤務し、裁量労働制で働いていた40歳代男性は、16年2月に自殺し、17年6月に労災認定された。また、若手のため裁量労働制を適用されていなかった名古屋製作所(名古屋市)の28歳男性も12年8月に自殺し、14年12月に労災と認定された。自殺前の数か月間の残業時間は、40歳代男性が月80時間前後、28歳男性は100時間を超えていたという。 また、三田製作所(兵庫県三田市)と本社(東京都千代田区)でも、いずれも裁量労働制で働いていた40歳代の男性
今月20日、神戸市水道局の職員が約3分間の中抜けをくり返したとして、減給処分になった。昼休みに行くと混むからという理由で、早めに仕事を切り上げて飲食店で弁当を注文していたという。 これだけ聞くとたいしたニュースには思えないが、これを受けて謝罪会見まで開かれる事態に発展。まるで重大な事故を起こしたような、深々と頭を下げる職員たちの姿になぜか海外メディアが衝撃を受けて、またたく間に海外へと拡散するに至った。 その報じたメディアも錚々たる並び。 「日本の労働者が昼休みを3分早く始めて罰せられる」との見出しが踊ったのは、イギリスの中道左派紙で硬派な報道でも知られる『ガーディアン』。 アメリカでは『CNN』が、ウェブサイトで「“サラリーマン”・カルチャー」を紹介。今回の謝罪会見の裏には、‘15年に起きた「大手広告会社での自殺」といった、より根深い問題があると分析している。 「行動経済成長の’70年代
安倍晋三首相は二十六日の参院厚生労働委員会で、「働き方」関連法案に含まれる「高度プロフェッショナル制度(高プロ、残業代ゼロ制度)」について「適用を望む企業や従業員が多いから導入するものではない」と述べ、制度創設の理由は労働者ニーズとは関係ないとの考えを示した。 高プロは高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す制度。国民民主党の浜口誠氏が「働く人は本当に望んでいるのか」と質問したのに対し、首相は「多様で柔軟な働き方の選択肢として整備する。望まない方には適用されないので、このような方には影響ない」と述べた。浜口氏は「長時間労働や過労死につながる不安は全く払拭(ふっしょく)できていない」と批判し、法案から削除するよう求めた。
安倍政権の「高プロ法案」強行採決を許していいのか! 実際は年収300万円にも適用可能、過労死続出は確実… “残業代ゼロ法案”こと「高度プロフェッショナル制度」を含む働き方改革関連法案が昨日、自民、公明、日本維新の会、希望の党による修正案の合意をえて、衆院厚生労働委員会での採決が秒読み段階に入った。 愛媛県の「獣医学部いいね」文書の影響で採決は25日にずれ込むとの見方もあるが、一方では、政府・与党は委員会採決だけでなく、そのまま本日中に緊急上程して本会議での強行採決まで持ち込むのではとの見方まで流れている。 周知のように、高プロは、年収1075万円以上の一部専門職を対象に労働時間の規制から除外するもので、残業や休日労働に対しても割増賃金が一切支払われないというシロモノ。長時間労働や過労死を政府自らが進める、人間の命を極めて軽視した悪法として批判があがっている。 当然、立憲民主党や共産党などは
改めて問われるべき3月2日の加藤大臣答弁 高度プロフェッショナル制度(高プロ)の「異次元の危険性」に対する野党の質疑にまともに答えないまま、5月23日にも厚生労働委員会で働き方改革関連法案の採決がねらわれている。 今、政府は、野党の指摘に対して、法案の一部修正と省令で対応するかのように答弁している。しかし、これまでの答弁姿勢を見ていると、まともな審議を行う条件は、すでに崩壊していると言わざるを得ない。 高プロの「異次元の危険性」について、3月2日の参議院予算委員会における小池晃議員(日本共産党)と加藤大臣の質疑の重要部分を下記の方が切り取って紹介してくださった。字幕もついているので、ぜひ、まずはこれをご覧いただきたい。 小池晃議員は論理的に詰めた質疑が上手な議員なので、加藤大臣の不誠実答弁を見抜き、「答えていない」と指摘している。しかし、普通に聞けば、小池議員の指摘(月のはじめに4日間休ま
高度プロフェッショナル制度を含む「働き方改革」関連法案が国会に提出され、厚労省のホームページで法案の原文がアップされましたね。 ここまで以下の記事で警鐘を鳴らしてきましたが、法案を改めて読んで、これはとんでもない制度だということを、より強く感じました。 ・高プロ制度の解説をします ・【閣議決定】高プロ制度によって実現できることは何か? まず、法案には「高度プロフェッショナル制度」という言葉は出てきません。 したがって、これまで言われてきた「高度プロフェッショナル制度」というのは、単なる俗語ということになります。 ですので、残業代ゼロ制度でも、高度プロフェッショナル制度でも、言葉の位置付けとしては対等ということになりますね。 以下では便宜上、「高プロ」と呼ぶことにします。 高プロ制度の構造 さて、この高プロですが、その構造は、対象労働者について一定の要件(※1)をクリアすると、「労働時間、休
安倍内閣は、「働き方改革」一括法案の今国会成立に向けて、来週明けにも衆院通過をねらっています。労働時間データの改ざんや過労自殺隠しで法案提出の資格が問われ、長時間労働や過労死に拍車をかける危険性が明らかになっており、撤回・廃案にする以外にないことが浮き彫りとなっています。 ■データの信用“崩壊” 厚生労働省は、ねつ造が発覚していた労働時間データ問題を精査した結果、全1万1575事業所のうち2割強に当たる2492事業所のデータを削除しました。 加藤勝信厚労相は、残りのデータも正しいと明言できないなど、調査全体の信用が崩壊しました。 問題のデータは、「2013年度労働時間等総合実態調査」。裁量労働制の対象拡大、「残業代ゼロ制度」である「高度プロフェッショナル制度」創設にかかわる審議をしてきた労働政策審議会の冒頭、議論の出発点として提出されました。厚労省は審議会に幾度にもわたって同調査を示し、議
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く