少し前まで「勝ち組のはず」だったシャープ 8月2日、シャープ株式会社(以下、シャープ)は、2012年4~6月期に1,384億円の連結最終赤字を計上、通期の赤字見通しも当初の300億円から2,500億円に大幅下方修正しました。このネガティブサプライズを受け、翌3日の東京株式市場では、シャープの株価が一時、前日終値比80円安の187円と、制限値幅の下限(ストップ安)まで下落しました。200円割れは1980年以降初めてのことであり、時価総額も2,077億円まで目減りしました。以降、台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)世界最大手、鴻海(ホンハイ)精密工業との出資交渉の行方も含め、市場はシャープの再建の行方を注視しています。 時を、今から遡ること9年前にタイムシフトしてみましょう。2003年8月、あるビジネス誌がシャープを大々的に取り上げています。町田勝彦社長(当時)のインタビューなどを交え、電