EVの走行距離を伸ばすためには、二次電池の性能改善が欠かせない。しかし、電池に手を付けなくても燃費(電費)改善の方策はある。車体の軽量化だ。東レが開発した炭素繊維強化樹脂(CFRP)を採用することで、日産自動車の「リーフ」派生車種を600kg近く軽量化できた。 電気自動車(EV)の弱点の1つは、ガソリン車に比べて走行距離が短いことだ。「街乗り」には十分だが、遠出には不安が残る。EVの用途が狭くなってしまう。 走行距離が短くなる理由は、EVに搭載するリチウムイオン二次電池が高価な上に重く*1)、大量に搭載できないからだ。電池の改善も必要だが、それ以外に走行距離を伸ばす方法はあるのだろうか。 *1)野村総合研究所の分析によれば、2010年時点のEV(日産自動車のリーフを想定)のコスト構成に占める電池の割合は6割を超える。リーフの電池重量は294kgであり、これは車両重量の約2割に相当する。なお