スペインとフランスの複数の研究者が、グラフェンと水素原子を用いて、原子サイズの「炭素磁石」を作ることに成功した。紙の上に絵を描くように、グラフェン膜上に磁気パターンを作り出すことができる。分子磁気メモリやスピンを利用した通信につながる成果だ。 ナノテクロノジーを対象とするスペインの研究機関CIC NanoGUNEは、2016年4月26日、グラフェンの物性について世界初の成果を得たと発表した*1)。炭素原子1層の厚みを持つグラフェン膜(図1)に水素原子を吸着(hydrogen adatom)させるだけで、磁性を与えることに成功したという。 *1) スペインのマドリッド自治大学、フランスのジョセフフーリエ大学内のInstitute Néel of Grenobleに所属する研究者が協力した。Atomic-scale control of graphene magnetism by using