思い出してみてほしい。いつも使っているカップに水を注ぐ音、それから、同じカップにお湯を注ぐときの音を。 きっと水と比べ、お湯を注ぐ音は少しこもったような低い音がすると思う。あえて擬音語にすれば、水は「シャー」、お湯は「ジョー」という感じだ(個人差あり)。 これは主観的な違いではない。不思議なことに、温度が変わると本当に音が変化してしまうのだ。 原因は「粘度」 結論からいえば、鍵は「粘度(ねんど)」、要は粘り気だ。水はあたためると粘度が下がり、容器に注がれたときの挙動が変わる。その変化が、音にも現れるのだ。 イメージしにくいかもしれないが、例えば、ボウルの中で卵をかき混ぜる音と、水をかき回す音はかなり違うだろう。それと似たようなことが、水とお湯でも起きているのだと考えてほしい。 48秒ごろから、注ぐ音の聞き分けクイズ 冷たい水の方が粘っこい 粘度は流体力学(液体や気体などを扱う力学)で考えら