教育現場ではこれまでのイメージから、 間違った学習観が広まっています。 その弊害をなくすために、認知科学の視点から 「学び」の実態を科学的に明らかにした一冊『私たちはどう学んでいるのか―創発から見る認知の変化―』(ちくまプリマー新書)より、内容を一部公開します。学校とは違って正解のない日常では、そもそも問題を「作り出す」ことから私たちは始めなければなりません。 問題と正解に関わる素朴理論 教育、学習というと、多くの人の頭の中には連想的に学校でのそれが思い浮かぶ。ここにはとてもたくさんの構成要素からなる素朴理論があるように思う。その中で「問題と正解」について考えてみたい。多くの人は、 •問題は出される(既にある) •正解がある •正解を知っている人がいる(先生) というようなものを典型的な教育・学習場面だと考えるのではないだろうか。確かにそれらは学校では半ば当たり前のことになっている。先生が
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