【シンガポール=塚本和人】マレーシア内務省当局者は18日、3人のイスラム教徒の女性に対し、イスラム教で禁じられた婚外交渉を行ったとしてムチ打ち刑を執行したことを明らかにした。女性に対するムチ打ち刑の執行は同国では初めてとしている。国際人権団体が同国の対応を批判、波紋を呼びつつある。 当局者の話や地元メディアの報道では、ムチ打ちは2月9日、クアラルンプール郊外の女性刑務所内で執行された。衣服を着たままの状態で背中を打たれたが、外傷は負わなかったとしている。うち1人は刑の執行後に釈放された。 3人は結婚後に別の男性と性交渉を持ったことがイスラム教の教えに反するとされ、宗教裁判所が昨年12月から今年1月にかけて、それぞれにむち打ち刑の判決を下した。 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、執行が明らかになった直後、マレーシア政府に女性へのムチ打ちをやめるように求めた。