朝日新聞には毎月、雑誌やネットで公開される注目の論考を紹介する「論壇時評」という欄があります。時評を執筆する宇野重規さんと6人の論壇委員は月に1回、注目の論考や時事問題について意見を交わします。各分野の一線で活躍する論壇委員が薦める論考を紹介します。(「*」はデジタル) 青井未帆=憲法△宍戸常寿「憲法と社会のデジタル化についての覚書」(世界11月号) <評>憲法との関わりで、デジタル化について問題の所在やあるべき議論の作法を指摘。 現代立憲主義の構成要素である価値や原理(上位の要請としての民主的諸価値)をよりよく実現し、深化させるためにデジタル化を使い、リスクへ対応してゆく他はない。民間でも、国家権力と並んで憲法的な価値・原理で統制することも含め、個人の権利利益を実効的に保護するための議論の枠組みが必要。既存の憲法的な制度そのもののデジタル化を検討することも議論していくべきものである。 △