なぜ、所得が上がると主観的幸福は停滞するか? 以前、リチャード・イースタリンという経済学者が1974年に発表した「お金と幸福の“逆説的”な関係」について紹介し、それに基づき私の考えを述べました(「『人より金持ちでいたい人』は、富裕層はムリ」http://president.jp/articles/-/19876)。 イースタリンの逆説はこのような主旨でした。 ●ある国の一時点で見ると、所得と幸福度には正の関係が見られる ●ある国を時系列で見ると、国全体が豊かになっていっても幸福度は変わらない 今回は、もう1点ご紹介したいのですが、それは……。 ●所得がある一定水準以上に上がると幸福度との相関が見られなくなる これまた謎めいた逆説ですが、どういうことでしょうか。グラフを見てください。 これは、「world values survey(世界価値観調査)」という世界の異なる国の人々の社会文化的・