現在ほぼ日で連載中の「東京という名の、広い森。」がおもしろい。 建築家で江戸東京博物館・館長の藤森照信さんと糸井重里さんによる、いわば「東京って、なんだろう?」をテーマにした対談だ。この連載のおもしろさはいろいろあって、たとえば藤森さんがお相手だから、初回から「江戸・東京の建築物」を語りあってもぜんぜんいいと思う。むしろ、取材メモを片手にのぞむ記者ならそこからはじめる。ところが第1回で語り合うのは「お膝元としての東京」。つまり「天皇陛下がいるところ」としての東京だ。たしかにこれは江戸以前とは違う「都としての東京」を考えるうえで、いちばんおおきな前提なのかもしれない。すごい導入だなあ、まったく見事だなあ、と思う。 という内容面のおもしろさとは別に、この対談はリズムがいい。回を追うごとに興に乗ってくる感じが、とても心地いい。 たとえば第2回の「東京を研究する」。 ここで糸井さんの発言に対して、