副題は「第三世界フェミニズムの思想」。放送大学の面接授業「現代の国際政治」を受講したときに「論文の書き方」という小冊子をもらったのだが、それを書いていたのが岡真理さんだった。明快でわかりやすい文に魅せられてこの人の書いたものを読んでみたいと思い、ネットで検索して見つけたのがこの本。 読んでみると、思っていたより哲学的で、今、私が考えてみたいことと重なる部分があまりなく、思いっきりななめ読みになってしまったが、ひとつ強くそうだなぁ、と思ったことがあったので書き留めておきたい。 主にアフリカで現在も行われている女性性器切除(FGM)という慣習について。私はこの制度のことを知ったとき、「そんなひどいことが行われているなんて」と思い、その廃絶のために何かしたいと思った。「それはその地の文化なのだから、外の者が口出しすべきじゃない」という意見に対しても、現実に、これによって身体的に苦しんでいる女性が