世界で最も注目されているプロジェクトが、北アフリカのサハラ砂漠で進められようとしている。独シーメンスやスイスのABBなど欧州企業12社が結集した「デザーテック」プロジェクトである。サハラ砂漠に巨大な太陽熱発電所を建設し、直流送電網を使って欧州の都市部に電力を運ぶ。この壮大な計画の総予算は、実に50兆円超に上る。このほか、スペインや米国では、既に数十メガワットクラスの発電所が稼動している。 “枯れた”技術で安定稼働 太陽熱発電は鏡で太陽光を1カ所に集め、高温で水蒸気を発生させてタービンを回して発電する。主な方式は2つある。1つは「タワートップ式」と呼ばれ、モーターと鏡を組み合わせた「ヘリオスタット」と呼ばれる装置で集めた太陽光を、タワーの頂上にある集光器に集める。集光器には水やオイルなどの液体がポンプで送られ、太陽熱で加熱される。この熱を利用して水蒸気をつくり、タービンを回す。 もう1つは「
アラブ首長国連邦で、新方式の太陽熱発電プロジェクトが動き出す。 太陽光を鏡で集めて水蒸気を作り、タービンを回して発電する。 「2回反射」の採用で、既存方式より高効率、低コストを実現した。 昨年11月、コスモ石油はアラブ首長国連邦のアブダビで太陽熱発電の実証プラントを建設すると発表した。完成予定は今年12月末。約8億円の建設費用はコスモ石油とアブダビ政府系機関が折半で負担する。 「これまで地道に続けてきた研究がやっと認められた」。こう語るのは実証プラントの基本構造を考案した東京工業大学の玉浦裕教授である。15年以上も研究を続けてきた「ビームダウン式」がいよいよ日の目を見る。 太陽熱発電とは名前の通り、太陽の熱エネルギーを利用する発電方式だ。鏡を使って太陽の熱を集め、高温高圧の水蒸気を作る。この水蒸気でタービンを回して発電する。
広野 彩子 日本経済新聞社NAR編集部次長 朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。 この著者の記事を見る
2月上旬、NHKのラジオセンターに衝撃が走った。 「どうやら民放が、ネットでのサイマルに踏み切るらしい」「何だそれ、聞いてないぞ」――。 マスメディア産業の一角が、ついに生き残りをかけて、重い腰を上げた。NHK以外の民放局である。受信料で成り立つNHKと民放とでは、それだけ危機感に雲泥の開きがあるということだ。 AM、FM、短波の大手民放ラジオ局13社は、3月中旬から、地上波と同じ放送内容をインターネットでもサイマル(同時)送信することを決めた。日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会といった権利団体とも合意を得た。2月中にも正式発表する。 パソコンなどから「RADIKO(ラジコ)」のウェブサイトにアクセスすれば、無料で地上波と同じラジオ放送を聴けるようになる。ただし、アクセス元のIPアドレスから住所を類推する仕組みを用いて、当面は首都圏と大阪府の利用者に限定する。 大手放送局
前回も触れたように、2009年1月14日にCNNIC(中国インターネット情報センター)が発表した「中国互聯網(インターネット)発展状況統計報告」によれば、中国の2008年末における網民(ネット市民)の数は2.98億人に達した。 これは群を抜いた世界一の数値であるだけでなく、前年度比が41.9%増であるというから、これもまた前代未聞の成長ということができよう。ネット新聞の購読者は2.34億人。自分のブログを持っていて日々意見を発表している網民の数は1.62億人に達しているので、中国人の8人に1人が自分のブログを持ちネット言論を形成している計算になる。 8人に1人がブログ、農村への浸透も進む 今まで網民は都市に集中する傾向にあったが、今般の調査による農村網民の数は8460万人に達しており、農民人口を7億と考えたとき、農民におけるネット普及率は12%になる。全国民の平均ネット普及率22.6%と比
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