尖閣諸島での中国籍漁船と日本の海上保安庁巡視船との衝突に端を発する一連の問題で、日中両国間の緊張関係が高まっている。 あくまで強気の姿勢を崩さない中国側に対して、日本側の対応は外交的敗北と見る観測もある。 領海を巡る諸問題の微妙なバランス、また2008年の金融恐慌以後も成長を続ける経済に基づく自信、拡大する人民解放軍とりわけ海軍力など、中国が強気の姿勢を取る背景には様々な事情が存在するようだ。 だがこれらについては別の論考に譲って、ここでは中国の科学技術、イノベーションが持つ「ある特徴」を考えてみたい。というのもこの観点から見る時、日中関係は別の横顔を見せるように思うからだ。そこには意外な第3項が介在する。欧州だ。