中長期的な会社の成長につながるサービス業の拡大は、どうすれば可能なのか。この問いが頭をよぎったのは、コムスン、NOVAなど業界トップシェアの会社の相次ぐ不祥事である。いずれのケースも、過度な事業規模拡大が不正を招いたとの批判があった。一方、少なからぬ中小企業経営者は、資金力や人材の調達・成長がついていかないことには事業規模拡大は難しいと愚痴をこぼす。無理な事業拡大ではだめだし、かといって座していても、人口減少や消費低迷の煽りを受け停滞する。どうすればよいのか。 今回紹介する生活科学運営は、有料老人ホームサービスにおいて、利用者の高い満足度と高入居率を果たしながら、事業規模を拡大してきた事例である。一見独特のやり方のように見えるが、シニアビジネスはもちろん、他のサービス業にも通用するヒントが隠されている。 生活科学運営は、介護の必要がない高齢者向けの住宅サービスと、介護の必要な高齢者向けの住