【北京=五十嵐文】中国の王毅(ワンイー)外相は8日に北京で開いた記者会見で、対日政策について「歴史と領土で妥協の余地はない」と強調するなど、歴史問題や沖縄県・尖閣諸島をめぐり対日強硬姿勢が目立った。 昨年の外相就任以来、全国人民代表大会(全人代=国会)で初の記者会見に臨んだ王氏は、尖閣諸島を念頭に「我々のものではなければ少しも欲しがらないが、我々のものであれば、1寸の土地でも必ず守る」と主張した。 さらに、安倍首相が現在の日中関係を、第1次世界大戦で戦う前の英独関係になぞらえたとして波紋を広げた発言について質問され、「第1次大戦前のドイツの問題を取り上げるより、第2次大戦後のドイツを手本にした方がいい」と述べた。ドイツがナチス・ドイツ時代を深く反省しているのに対し、日本は戦後秩序に挑戦しているとの主張だ。全人代閉幕後、習近平(シージンピン)国家主席はドイツを含む欧州を歴訪することにしており