図書館によるLinked Dataの活用へ向けたW3Cのグループの提言 2011年10月25日に,ウェブ技術の標準化を推進する団体W3C(World Wide Web Consortium)のLibrary Linked Dataインキュベーターグループが,図書館におけるLinked Data(CA1746参照)の活用に向けた最終報告書を公表した。同グループは,図書館データのウェブでの相互運用性の向上の支援を目的に,2010年5月から2011年8月まで設置されていたものである。なお,この報告書において“Library”という用語は博物館・美術館や文書館等も含む用語として使用されており,本稿においても,「図書館」をそのような意味で用いる。 報告書では,まず,Linked Data活用の利点が挙げられている。図書館組織にとっての利点としては,資料の詳細なデータを一機関で作成するのではなく複数の