ベクトルの重要な概念に「内積」というものがあります。成分表示した2つのベクトルp=(x1,y1)とq=(x2、y2)の内積を、x1x2+y1y2で定義します。空間ベクトルでは、これにz成分同士をかけたものが加わるだけです。表示法として、pとqの内積をp・qと記します。 注意してほしいのは、内積は2つのベクトルから数を導くものだということです。つまり、内積はベクトルではありません。 内積が便利なのは、内積が2つのベクトルの角度の関係を表しているからです。ベクトルp=(x1,y1)、q=(x2、y2)とすると、pとqのなす角がθのとき、p・q=|p||q|cosθ という関係式が成立します。特に、pとqが直交しているときは、cosθ=0なので、p・qも0になります。このため、直角と内積は相性がよく、直角の絡む問題ではしばしば内積が用いられます。 また、内積には普通の掛け算のような性質も成り立ち
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