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  • ジャン=リュック・ゴダール「インタビュー〈1〉」

    (このインタビューは、第十四回高松宮殿下記念世界文化賞の式典があった2002年10月23日に行われた。原稿掲載を快諾してくださった週刊『読書人』編集 明石健五氏に感謝いたします。) ──昨年の9月11日以降、映画作家として現実の世界に対して、どのようにコミットしていくことができるとお考えですか。 【ゴダール】私は映画作家に過ぎません。映画を作ること以外に何かをすることはできません。ただし、次のことは言えるかもしれません。今年、一周年の追悼式があった時に、ワールドトレードセンターで亡くなった人たちの名前がすべて読み上げられたのに対して、飛行機の中で死んでいった人間の名前に言及されることはありませんでした。その点に関して、映画作家として関わっていくことが、映画の使命ではないかと思っています。 ──あなたが映画を作り続けるのはなぜですか。 【ゴダール】映画を作ること、それしかできないからです(笑

  • 王寺賢太「ラカンから日本語へ」

    ジャック・ラカンの生誕百周年・没後二十周年にあたる今年、『他なるエクリ』と題されたラカンの論文集(ミレール編集)が出版された。 『エクリ』前後の論文や「フロイトの大義派」の声明を収めたこの論文集は、一面でラカン派精神分析の生成と発展をたどる資料集の性格を持つ。たとえば、1947年の論文、『イギリス精神医学と戦争』は、大戦中のフランスの集団的「不安」と「想像的逃避」に対置して、総動員態勢下のイギリス軍内での「民主主義的」な改革と・それがもたらした隊内での規律の向上を論じたもので、その後精神分析再考へと進むラカンの端緒に戦後民主主義的な「秩序」への志向があったことを窺わせる点できわめて興味深い。ラカン派精神分析のヴォキャブラリーは日でも既に定着した観があるが、『他なるエクリ』は今後、彼の理論が持つ歴史的な限定についても一層の検討を促すだろう。 だが、この論文集の領は、『エクリ』以後のラカン

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