「忘れられる権利」をめぐるEUの裁定とGoogleの対応 欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(Court of Justice)は,2014年5月13日に,EUデータ保護指令,EU基本権憲章の規定により,検索エンジンの運営者は,EU市民の過去の個人情報へのリンクを検索結果から削除すべき義務を負う旨の裁定を行った(E1572参照)。本稿では,Google検索結果の意義を踏まえ,なぜGoogleが義務を負うこととなったかという,検索エンジンという主体に関する裁定部分,すなわち,EUデータ保護指令第2条(b)(個人データの処理の定義),同条(d)(管理者の定義)の解釈等と,これを受けたGoogleの対応を紹介する。 1. Google検索結果の意義とそれに関する裁定 人がインターネットで情報を収集する際には,まず検索エンジンを利用し,その検索結果を基に,知りたい情報が掲載されているウェブサイトを
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