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  • 東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(その1) - 蝶を曳く−文芸時評

    前にも書いたことの確認から始める。東浩紀は『1Q84』について、作者の新境地が見られない点を厳しく批判している(「週刊朝日」六月二六日号)。村上春樹は「還暦を迎えてなお『自分探し』や『父との和解』にこだわる作風」を変えずにいる、という一節がそれだ。反感が湧いた。当時浩紀が連載していた「ファントム、クォンタム」こそ、自分探しや家族の和解の物語であるかのような進行を示していたからである。連載最終回も私の反感を減ずる内容では無かった。これが大改稿されて出版される、と知った時も、『クォンタム・ファミリーズ』という改題を一目見て、何がどう書き直されようと、家族の和解に至る小説であることを確信した。父との和解を描く老作家が批判されて、家族の和解を描く中年は許される。それはなぜ?浩紀にとっては些細な不誠実にすぎぬのかもしれない。ひとまづ一回書いて忘れておく。 私は「ファントム、クォンタム」に熱中した。私

    東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(その1) - 蝶を曳く−文芸時評
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