2010年1月28日のブックマーク (5件)

  • 東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(その1) - 蝶を曳く−文芸時評

    前にも書いたことの確認から始める。東浩紀は『1Q84』について、作者の新境地が見られない点を厳しく批判している(「週刊朝日」六月二六日号)。村上春樹は「還暦を迎えてなお『自分探し』や『父との和解』にこだわる作風」を変えずにいる、という一節がそれだ。反感が湧いた。当時浩紀が連載していた「ファントム、クォンタム」こそ、自分探しや家族の和解の物語であるかのような進行を示していたからである。連載最終回も私の反感を減ずる内容では無かった。これが大改稿されて出版される、と知った時も、『クォンタム・ファミリーズ』という改題を一目見て、何がどう書き直されようと、家族の和解に至る小説であることを確信した。父との和解を描く老作家が批判されて、家族の和解を描く中年は許される。それはなぜ?浩紀にとっては些細な不誠実にすぎぬのかもしれない。ひとまづ一回書いて忘れておく。 私は「ファントム、クォンタム」に熱中した。私

    東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(その1) - 蝶を曳く−文芸時評
  • 『クォンタム・ファミリーズ』 東浩紀 | 新潮社

    『クォンタム・ファミリーズ』(以下『QF』と略記)は、量子(クォンタム)コンピュータのネットワークによって相互干渉する並行世界を舞台に、出会うはずのない「家族」が時空を超えてリンクされる歴史改変SFである。グレッグ・イーガンやP・K・ディック、瀬名秀明や麻枝准らの先行作品と、ジャック・デリダの脱構築哲学を同時に視野に収めながら、作者自身とその家族を投影した作中人物(東浩紀は作家のほしおさなえと結婚し、娘がひとりいる)が離合集散する、思弁的でプライベートな色合いの濃い小説になっている。 作中で示唆されているように、『QF』は村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に宛てた、二一世紀からの返信でもある。春樹作品はディック(世界の終り)とレイモンド・チャンドラー(ハードボイルド・ワンダーランド)のハイブリッド小説だが、書の中にチャンドラーの占める席はない。その空隙を埋めるのは、一

    『クォンタム・ファミリーズ』 東浩紀 | 新潮社
  • 游歩塾:細馬宏通「初期アニメーションの世界」 - イベント告知 - webDICE

    【講座概要】 ジェームズ・スチュワート・ブラックトンによる世界最初のアニメーション・フィルム作品は、黒板を使ったコマ録り映像でした。ですが、では何故そこで黒板が使われたのでしょうか。黒板が書いて消すのに便利だったから? いや、どうやら理由はそれだけではないようです。 講座は20世紀初頭におけるアニメーションの背景となった同時代の文化や視覚表現を踏まえつつ、20世紀中期までのアニメーション史を捉え直す試みです。映像史や映像と音楽との関係に興味のある方を歓迎します。 【講師プロフィール】 細馬 宏通(ほそま ひろみち) 1960年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(動物学)。滋賀県立大学人間文化学部教授。専門はコミュニケーション論。 著書に『浅草十二階』『絵はがきの時代』『絵はがきのなかの彦根』など。 バンド「かえる目」を率いての音楽活動も精力的に行っており、CD『主観』『惑星』な

  • スピードアップに効く!Google Chrome Extension 厳選14本+1 | シゴタノ!

    少し出遅れの感がありますが、2週間ほど実際に使い続けてみて「これなら仕事に役に立つかな」と思えたChrome Extensionをご紹介。いずれも「むしろ仕事の邪魔になるかも」あるいは「意味ないかも」と思えたものは自分でも無効化もしくはアンインストールしたので、「ちょっと便利」程度のものは入っていません。 また、以下の堀さんのエントリーで紹介済みのものも入っていません。 » MacChrome で作業を大幅加速! 必須の 8 個の拡張機能 1.Go Extensions 拡張機能一覧ページ(chrome://extensions/)へのショートカット。 » Extensionをいろいろ試したいなら最初に入れるべきExtension。 2.LinkOpenNewTab クリックしたリンクが異なるドメインの場合は、新規タブで開く。 » 新規タブで開くかと思いきや、表示中のタブに上書きされ

  • 【店長ブログ】 東浩紀にもの申す | BERG!

    東浩紀にもの申す 「時代を斬る 若手対談」ということで、『週刊朝日』1月22日号の東浩紀と宇野常寛という2人の批評家対談を期待して拝読した。正直、肩すかしだった。要約すれば、タイトル通り、ゼロ年代には希望があった、10年代はそれを形にする時代だ、ということになろう。前向きな優等生的発言である。これなら小学生でも言えるか?論評ではなく、軽い対談(仲良しどうしの?)形式であるため、私が求め過ぎなのかも知れないが、批評家ってこういうもの?とつい思ってしまった。そこにはあまり発見や驚きがないからだ。その方面にうとい私も、お名前だけは存じ上げているので、お二人ともきっと今をときめくスターなのだろう。でなければ、わざわざ記事にする内容だろうか。お二人のおっしゃることは、いちいちごもっともだ。要するに、現状を受け入れるしかない、現実的に考えよということだろう。私も飲店の店長だが、若いアルバイトにこのよ

    【店長ブログ】 東浩紀にもの申す | BERG!