マーティン・スコセッシ監督の名作『グッドフェローズ』は、映画ファンなら誰もが知っている作品だろう。貧しい街で育ち子どもの頃からマフィアに憧れていた男が、ボスに見込まれ組織のメンバーなったが、暴力と裏切りの世界のなかで次第に追い詰められていく半生を描いた作品である。惜しくもアカデミー賞の作品賞は逃したが、いまや伝説の名作と言っていいだろう。 この映画の冒頭のクレジットタイトルに「この映画は実話(true story)に基づいている」と出てくる。この映画の下敷きになったのが、ニコラス・ピレッジ『グッドフェローズ』(徳間文庫・1990年)〔原題 ”Wiseguy: Life in a Mafia Family”〕である。 この本は、組織を抜け連邦証人保護プログラムの保護下にあったヘンリー・ヒルに対して、ピレッジが300時間に及ぶインタビューを行い、1冊の本に仕上げたものである。しかし、もし出版前
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