アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。 上着か毛布か 斎藤美奈子(文芸評論家) 「消費増税を延期したんですね」 「おかげで社会保障もパーですよ」 みたいな話になっているのが腑に落ちない。 だいたい、消費税を上げて社会保障費に充てるっていう、発想自体がおかしくない? 寒さで震えている人に、 「毛布を買う金がいるから、その上着を脱いでよこせ」と要求しているようなもの。 上着を渡して(消費税を上げて)、毛布(社会保障)を待つか。 いまのままで我慢するか。 究極の二択だ…。って、べつに究極に二択じゃないですよ。 そういうときは、上着はもちろん取り上げず、ぬくぬく暮らしている人の所から、毛布を調達してくるんですよ。 実際、2%の増税は、家計をまちがいなく直撃する。 増税の延期で、ホッと胸をなで下ろした人は、少なくないはずだ。