「金利差」ではなく「マネーサプライ」 大統領就任後もトランプ氏の暴走は止まらない。連日、様々な発言で物議を醸している。 そして、ついに、従来からトランプ大統領が主張してきた二国間での個別の貿易交渉に、為替レートに関する条項を組み込む旨の発言を行い、対米貿易黒字国である中国やドイツへの批判を展開しはじめた。 同時に、日本の貿易黒字についても、「不当な円安」がその背景にあるとして、円安に対する牽制発言を行った。このため、マーケットでは、一部で円高懸念も台頭しつつあるようだ。 とはいえ、現在、ドル円レートは1ドル=113円前後で推移しており、それほど急激な円高というわけでもない。 筆者は、現在のドル円レートの水準はむしろ、やや「行き過ぎた円安」ではないかと考えている。 これまでにも当コラムで何度か言及してきたが、筆者は、筆者の考えるドル円レートのフレームワーク(日米のマネタリーベースの動き)をも