新型コロナウイルスによって雇用環境が悪化する以前から、日本では海外諸国と違い30年間も平均賃金が増えていませんでした。その原因は、企業の人件費削減やいわゆる「非正規化」の進展だといわれています。 しかし、それだけでは当事者である労働者が「なぜ低賃金を甘受してきたのか」説明がつきません。そこで今回は、これまでに見落とされてきたもうひとつの根本的な原因について考えていきます。 日本では平均賃金が30年間増えていない 最初に、G7諸国の平均賃金の推移をみてみましょう。平均賃金はほとんどの国で右肩上がりに上昇しているにもかかわらず、日本の平均賃金は実に30年近く横ばいのままです。 日本は、1990年初頭はアメリカに次いで2番目の賃金水準だったにもかかわらず、現在は下から2番目に転落しています。高度経済成長期やバブル景気は過去の話、日本は30年間で賃金の安い国になってしまったのです。
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