検査不正があった曙ブレーキ工業の自動車用ブレーキの図(同社提供、番号は不正対象の製品または部品を示す) 曙ブレーキ工業は、自動車に取り付けるブレーキの検査データを改ざんしていたと発表した。ブレーキは人命に関わる重要な自動車部品だ。なぜリコール(回収・無償修理)にならないのか。その理由をまとめた。 【図解】検査不正があった曙ブレーキ工業の自動車用ドラムブレーキ ―どんな不正だったのか。 大手自動車部品メーカーの曙ブレーキは、トヨタ自動車や日産自動車など完成車メーカーにブレーキを納入している。あらかじめ交わした契約通りに製造されているかどうかを出荷前に検査で確認するが、ブレーキの効きなどを調べる検査のデータが改ざんされていた。不正は約11万4000件に上る。 ―どう改ざんしたのか。 具体的には、(1)実際より良い数値に書き換えた(2)検査未実施なのに、過去のデータを勝手に書き込んで実施したよう