昼食は女房の手作り弁当である。 「ほう、いいですなあ」には「いやいや、外食にあこがれますよ」と少し誇らしげに応じてきた。ところが、事情が違うことに最近気が付いた。 高校生の娘2人分と合わせて作ってもらっている。早朝、たまたま台所で作りかけのそれを目撃したのである。焼き魚のしっぽ、卵焼きの端っこのクタッとした部分……。いわゆる規格外を私の弁当箱が一手に引き受けていたのだった。いつだったか、空揚げの皮だけというのがあった。随分斬新だとは思ったが、つまりそういうことだったのだ。恐るべき仕分けだ。が、問い詰めるのは自殺行為に等しい。見なかったことにした。 先日小遣いが底を突き、恐る恐る義援金を所望した。諭吉さんは論外だが、英世さん数枚なら、との淡い期待は「いくらいるの?」と財布の小銭をジャラジャラさせた時点で砕け散った。結局、100円玉5枚を受け取り「へへっ、助かった」と心にもないことを言ってしま