*前編はこちら「レイシズム」とは何か、またイギリスの現代アーティストの実践について解説 ブラック・ライブズ・マターと彫像の引き倒し 非黒人警察官の不適切な拘束方法によって黒人男性が命を落とした、2020年の出来事(ジョージ・フロイド事件)を機に世界中に知られるようになった「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動は私たちの記憶に新しいが、この運動はそれ以前から各地で頻発していた黒人に対する(主に白人の)警察官による不当な暴力——2012年のトレイボン・マーティン射殺事件、14年のエリック・ガーナー窒息死事件、同年のマイケル・ブラウン射殺事件など——に対して継続的に強い抗議を行ってきた。同様に、前編で見た通り、戦後のイギリスに暮らす黒人アーティストたちは、人種間に存在しないヒエラルキーを鋳造しようとする動きに対して作品制作を通じた異議申し立てを起こしてきた。また、今回はイギリスの事例に焦点