コミュニケーション能力、略してコミュ力。これは、その言葉に反射的に忌避感を覚えたあなたに必要な文章だ。そして、そんな忌避感なんて、微塵も想像できない、つながるのはいいことに決まっている、と信じて疑わないあなたに全く異なる視点を提供する文章でもある。 私は間違いなく前者に当たる。むやみやたらとコミュニケーション能力を求められる就職活動において、適性検査では受かるものの、面接で必ず落ちた。内定は、一つも取れなかった。「適性検査では問題がないどころか、高得点だったのですが」から始まるお断りの言葉も頂いている。 適性検査の高得点でも補えないほど、コミュニケーション能力が低い人間なのだ。 コミュニケーション能力の定義には諸説あるが、円滑なコミュニケーションを行い、必要な情報や相手からの信頼を得る能力とでもしておこうか。相手からの信頼を得る――これが、私には難題だった。 相手の感情を感じ取れないので、
