1955 年、日光で開かれた数論の国際学会で日本の数学者谷山豊が得た着想は、「奇跡」とも言えるひらめきだった。その着想とは、非常に複雑な数論の問題を、調和解析というまったく別の数学を使って解くことができるというもの。この「谷村・志村・ヴェイユ」予想が、後に数学史上最大の難問と言われた「フェルマーの最終定理」の解決につながってくる。そのドラマチックな展開をフレンケル教授の著書『数学の大統一に挑む』の訳者である青木薫が読み解く。 第1回 「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 第2回 天才数学者が決闘死前夜に残した奇跡のメモ 第4回 物理学者は、数学者の肩に乗った小人なのか NHK Eテレ『数学ミステリー白熱教室』の第3回(11月27日23時放送)は、「夭折した日本の数学者が、数学の大統一に果たした役割」だった。ラングランズ・プログラムの核心に迫り、「数論と調和解析の不思議なつながり」を探