「政治家の人生は、その成し得た結果を歴史という法廷において裁かれる」。2019年末に亡くなった中曽根康弘元首相の言葉だ(自著「自省録―歴史法廷の被告として」から)。この信念から、中曽根氏は自身の膨大な資料を保存し、国会図書館に寄贈した。翻って「桜を見る会」を巡る安倍晋三首相の姿勢はどうだろうか。国会などでの説明は十分とはいえず、さらに招待者の名簿については「廃棄した」と言い、バックアップデータの復元に手を尽くす気配もない。ジャーナリストの江川紹子さんは「文書を残すという発想がない人物は首相になってはいけない」と安倍首相を厳しく批判する。【江畑佳明/統合デジタル取材センター】