日本は第二次世界大戦の敗戦で焼け野原になった後、奇跡的ともいえる経済復興を遂げ、一気に先進国の仲間入りをはたした。 まずは鉄鋼・石炭などの関連産業に人・モノ・カネを投入する「傾斜生産方式」の政策で産業復興の糸口を見いだした。 朝鮮戦争による経済特需を経て、1954年の鳩山一郎政権あたりから曲折を経ながらも、20年ほど続く高度経済成長期に入る。 60年には池田勇人内閣が「所得倍増計画」を掲げ、国民所得も伸びた。 テレビCMで「モーレツ!」といったキャッチコピーの流れていた時代だ。 50〜60年代は、仕事を求めて地方から東京・名古屋・大阪の3大都市圏への急激な人口移動があった。 地方から都市に出てくる労働力は「金の卵」と呼ばれて引っ張りだこだった。 やがて、従来の都市部居住者や、地方から出てきた人たちが住宅を購入するようになるころに現れたのが「新築持ち家信仰」。 当時は都市部の住宅が全く足りず