香港城市大学を中心とする研究チームが、落下する液滴の運動エネルギーから効率的に発電する技術を開発した。テフロンPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の薄膜を用い、液滴との摩擦から生じる瞬間電力を、電界効果トランジスター(FET)に似た構造で効率良く取り出すもので、研究成果は2020年2月5日の『Nature』誌に公開されている。 液滴が固体表面に衝突するときや、液体が永久分極するエレクトレット材料と摺動するときに、接触帯電や静電誘導などの摩擦電気効果によって、固体表面に瞬間的な電荷が発生することが知られている。この現象をマイクロ発電に利用しようとする試みにおいて、表面で発生する電荷量を蓄積し、外部に電力として取り出すことが難しく、エネルギー変換効率は極めて低いという課題がある。エレクトレット材とは、電場を自ら帯びており、電界が存在しなくても素材の表面近傍に電荷を保持できる荷電体材料のことだ
国民負担は永遠に減らない 7月23日付の産経ニュースに、「再エネ買い取り総額累計94兆円、2050年度に 電気料金に上乗せ、国民負担増も懸念」という記事が載った。 http://www.sankei.com/economy/news/170723/ecn1707230008-n1.html 電力中央研究所が発表した「固定価格買い取り制度(FIT)による買い取り総額・賦課金総額の見通し(2017年版)」をまとめたものだ。 http://criepi.denken.or.jp/jp/serc/source/pdf/Y16507.pdf 再エネを生産している人、および企業は、発電した再エネ電気を買い取ってもらえるが、その買い取り金額が激増している。現在、再エネの発電施設はどんどん増えているので、2030年度には、1年分の買い取り額だけで4.7兆円になるという。 これは、2016年の買い取り総額2
2016年1-9月の太陽光関連事業者の倒産は42件(前年同期比10.5%増)に達した。このままのペースで推移すると、年間最多の2015年の54件を上回り、調査を開始した2000年以降で最多を記録する勢いで推移している。 太陽光関連事業は2012年7月に再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)の固定価格買い取り制度(FIT)が導入され、これを契機に業態転換や法人設立が相次ぎ、多くの事業者が参入してきた。だが、買い取り価格の段階的な引き下げで市場拡大のペースが鈍化したほか、事業者の乱立などで競争が激化し事業が立ち行かなくなる業者が続出。成長が見込まれた有望市場から一転し、2015年を境に倒産が急増している。 ※ ソーラーシステム装置の製造、卸売、小売を手がける企業、同システム設置工事、コンサルティング、太陽光発電による売買電事業等を展開する企業(主業・従業問わず)を「太陽
地下350メートルとは、いったいどんな世界なんだろう。あの日本のシンボル、東京タワー(高さ333メートル)がすっぽり入る深さである。そんな地下奥深くで今、わが国のエネルギー政策の「未来」にかかわる壮大な実験と研究が続けられているのをご存じだろうか。現役大学生の論客、山本みずきとともに、北海道にある研究施設を訪れ「核のごみ」の最終処分について考える。 その場所は、北海道最北の地、稚内市から南へ約50キロ、酪農が主産業という幌延町にあった。施設の名称は「幌延深地層研究センター」。原子力発電所から出た使用済燃料を再処理した後に発生する高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下深くに埋めて処分する「地層処分」の技術に関して、国立研究開発法人「日本原子力研究開発機構」が平成13年からこの場所で調査研究している。 幌延深地層研究センター(北海道幌延町)提供:日本原子力研究開発機構 敷地面積19万平方メート
エネルギーミックスとは、日本の電源構成のことで、現在議論しているのは2030年段階における姿だ。経済産業省の有識者会合で議論が進んでおり、「再エネ(再生可能エネルギー)は30%を目指せ!」「原子力は20%は維持を!」といった数字が紙面を賑わせている。 ところが、その前提となる電力需要の総量に疑義が示されている。分数の分子の議論に集中していたら、分母がおかしかった、というようなものだ。 3月19日の日経新聞の経済教室で、野村浩二・慶應義塾大学准教授はこのように指摘している。 「政府はこの20年以上、コスト負担を顧みることなく、省エネ努力を数量的に積み上げることに腐心してきた。省エネの過大推計は、電力需要の過小推計を導く。そして二酸化炭素排出量を小さく、電力構成における再エネ比率を大きく見せる。ゆえに理想的な政策目標に近づけるには、禁断の果実となる」 世論受けを狙う政治家としては、再エネ比率を
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く